パティシエ雑談 第1回【お菓子は心を癒やすもの】

メゾンフォーチュン管理人

疲れた母を思いやる気持ちが原点

読者の皆さんは、パティシエと聞くとどんな印象を持ちますか?

「おいしいスイーツをつくれて羨ましい」などと、憧れを持つ人も多いはず。

そこでパティシエとして様々な現場を経験しているだけでなく、お菓子の商品プロデュースまで行っている若狭薫氏の連載コラムがスタート。

ご自身の経験から様々な面白体験や恋の進展に役立つ秘密のエピソードなどを披露してくれます。

式NOTE

若狭薫 プロフィール】
お菓子と生きるスイーツプロデューサー。 パティシエ歴25年、フリー歴15年。結婚・出産・育児・介護…人生の荒波を越えながら、現場にとらわれない働き方を模索。「パティシエのキャリアはひとつじゃない!」をテーマに、商品企画を通じて、新しいキャリアデザインを見つけるお手伝いをしています。

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お菓子には、“食べ物じゃない力”がある

こんにちは。
「心を癒すお菓子を創る」。スイーツコンセプトの若狭薫です。

私は、スイーツがもたらす感動・癒し・体験をストーリーに、レシピ提案、商品プロデュース、そしてパティシエの相談にも関わるようになって、もう20年になります。

「お菓子は、必要不可欠な食べ物ではありません。
でも、心を癒す食べ物は、どの国、どの時代にあってもお菓子だったかもしれません」

これは、起業したての頃から私が何度も口にしてきた言葉です。

初めて“スイーツで誰かの心がほどける瞬間”を目の当たりにしたのは、小学6年生の時でした。
会社経営をしていた母が、疲れ果てた顔で帰宅し、「何も食べる気力が湧かない」とこぼした夜のことです。

私は、家にあったサツマイモを蒸して潰し、ガーゼで絞って「芋きんとん」をつくりました。
特別な材料は使っていません。母はサツマイモがあまり好きではなく、「ふかし芋は戦争を思い出す」とよく言っていました。

だから、原型をなくして、和菓子っぽく見えるようにした。
それだけの工夫でした。
でも、「和菓子好き」の母のために、どうしたら少しでも食べられるか――私は幼いながらに、必死に考えたのです。

何を食べるかは、どう生きたいかと密接につながる

でき上がったお菓子を見た母は、驚いたように目を見開いて、それから一口食べて、涙ぐみながらこう言いました。
ありがとう。これなら、食べられる
そして、ふっと笑ったのです。

私はその時の母の笑顔を、今でもはっきりと覚えています。
その瞬間、お菓子は“ただの食べ物”ではなく、“人の心を動かすもの”なのだと、肌で感じました。

甘さや香り、口に入れたときのやさしい食感

それは記憶や感情と深く結びついていて、不安やモヤモヤを、そっと抱きしめてくれる。
「一旦ホッとしてみよう。そしたら、違うことも思いつくかも」――。
そんなふうに、心の流れを変えてくれる力が、お菓子にはあるのだと。

仕事も恋愛も、疲れたんですけど、何食べたらいいですか?
今ではそんな相談も、時々いただくようになりました。

私は真面目に答えます(笑)。
なぜなら、“何を食べるか”は、“どう生きたいか”と密接につながっているからです。

この連載では、スイーツが人に与える小さな魔法や変化を、実例や物語を通してお届けしていきたいと思っています。
読んでくださるあなたが、自分をちょっと甘やかしたくなるような、そんな時間になりますように――。

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